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3才半のM男との出逢い、それから2年後に、1才半のS子(現在20才)との出逢い、幼稚園から大学迄の親としての、ひと通りの心配とよろこびを、たっぷりと経験させていただきました。実子(32才)がありながら、何故里子を?と世間から不思議がられ、名前の違い、本当の親子でないこと等々、一喜一憂したことが、何度あったことでしよう。
里親、里子に関する悩み(私は悩みのフルコースと呼んでいます)でも月日はありがたいもので、苦しかった事をすべて美しい思い出に変えてしまう浄化作用があるのですから……。私も実子1人だけを育てていたなら、それなりの幸せと苦労きり味わえなかったでしょう。しかし2人の里子のおかげで3人の子の母の役割をさせていただいたのです。このことは、何が起きても、少しのことでは驚かない、たくましい母に私を育ててくれました。
そして嬉しいことに、3人の子供達は血のつながりが全くなくても、とても仲がよいのです。1人っ子で育った私には、血のつながりがなくても、仲良く弟妹になれると云う事が実証できました。「仲良きことは美しきかな」です。このことは、何にもか

 

 

 

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